葉をまとふなく春深し

読書録を中心に、大学4年間の文学日記。

夏の無言を 君と聞いて

 炎天、夕顔、風薫る。個人的に好きな夏の歌を集めました。

第1回目「歌詞から言の葉掬い」です。

 5個の言葉を掬いました。(*1*2*3*4*5

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(写真撮影=id:saho417/PN:春)

1 夏の無言を 君と聞いて

おだやかな風が 部屋に吹いて

夏の無言を 君と聞いて

(作詞・熊木杏里

夏の気まぐれ

夏の気まぐれ

 

*1:夏の無言を 君と聞いて

*2:神様の秘密のカバンから 夏だけ盗んで ふたりで並べよう

*3:もう一回 もう一回 僕はこの手を伸ばしたい

*4:行きついたその場所が 最期だとしても

*5:笑っていても 泣いて過ごしても平等に時は流れる

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ぜんぶの星に花が咲く

 その人が大切であるほど、難しい。「大切な人を思う言葉」5つです。
第2回目、本から言の葉落とし。

ぜんぶの星に花が咲く/きみがおれを飼い慣らしたら/あなたは、あなたでしかない/
一人で輝ける人だけが/また会えるってことなんだ

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(写真撮影=id:saho417/PN:春)

1 ぜんぶの星に花が咲く

どこかの星に咲いている花が好きになったら、夜の空を見ることが嬉しくなる。ぜんぶの星に花が咲く

(サン・デグジュベリ作、池澤夏樹訳『星の王子さま』より)

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全身ずぶぬれになれば

 じっくり考えず、勇気や度胸で挑むことも大切。「勇気が出る言葉」を集めました、第1回目、本から言の葉落としです。

全身ずぶぬれになれば

水にぬれなければ

泳ぎはできない

全身ずぶぬれになれば

度胸がすわる

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(写真=春)

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いま、島で

 超新星はいつまでも色褪せない。
 感銘読録、第2回目は『兎の眼』『太陽の子』の灰谷さんによるエッセイです。

いま、島で (角川文庫)

いま、島で (角川文庫)

 

 いま、島で

 エッセイという分野は、日常の細かいことを綴るので、その作家の「生きている」姿が眼前にまざまざと現れてくる。私はそれが楽しみでエッセイを読むが、やはり文章なので、テレビの生中継のようにはいかない。

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超新星みたいに、すごく美しくこちらには感動・感銘が与えられるんだけれど、……実際にはその超新星はもう遥か昔に死んでる星。文章は特に、それが書かれて、新しいうちに読める場合って殆どないだろう。灰谷さんは、人生の中で本当に試行錯誤しているのがわかる。日々考え続け、成長し続けた人だから、このエッセイはいつまでも古くない。

(感想文=2011年3月 読書メーター投稿、id:saho417/PN:春)f:id:saho417:20140816194018j:plain

 (文中写真撮影=春)

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空が青いから白をえらんだのです

 作者は「受刑者」です。少年刑務所の中からの詩集。
 感銘読録、第1回目は私が高1の時に書いた読書感想文です。

空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集

空が青いから白をえらんだのです―奈良少年刑務所詩集

 

空が青いから白をえらんだのです

受刑者らが書いた詩

 詩集を読んで、読書感想文を書く。多少ためらいはあったが、どうしてもこの本に対する感想を紡ぎたかった。今夏読んだ本十七冊の中で、一番私の心をかき乱したのである。

 手に取ったきっかけは書名だった。『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』。その副題どおり、詩を書いたのはすべて受刑者なのだ。罪の内容も、軽いものだけでなく強盗・殺人・レイプなど重罪もあり、知るのがこわい世界ではある。それでも、少年少女ということで、歳近い彼らの胸の内を見てみたいと本を開いた。

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